卸先の数量まで計画の中に

農林水産省の統計情報などの基本データは「10a=1反」が基本で使われます。

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10a当たりの作物別 農業収入もありますが、平成19年に廃止になっていますので、古いデータです。
これは、卸先が複数となり、単純の平均が意味をなさなくなったのも理由の一つなのかなと思っています。

農業での大きさの単位

農業の方は当たり前に知っていることですが、単位のおさらい表です。

 1歩(ぶ)1畝(せ)1反(たん)1町(ちょう)
1坪30坪300坪3000坪
2畳60畳600畳6000畳
約3.3㎡約100㎡約1000㎡約10000㎡
a(アール)1a10a100a
ha(ヘクタール)1ha

10aあたりの経営統計

平成19年の古いデータですので、今の統計とは違いますが、比較対象としてデータを見て下さい。
自分のいる所は山形ですので、山形のスター農産品である「さくらんぼ」を調べてみました。

作物農業所得
(10a当 千円)
労働時間
(10a当 H)
時給
(円)
露地さくらんぼ(山形)3702811317
露地さくらんぼ(北海道)316325972
露地さくらんぼ(青森)32190168

青森と山形の時給の差が凄すぎる!!まぁよくデータをみると青森の参考農家が3農家だったので、データの正確性が不確かです。

尚、農業所得の出し方は、「農業粗収益-農業経営費=農業所得」と計算しているデータです。
山形の場合だと「78万ー41万=37万」10a当 の計算です。

またこれは10a当たりの計算ですので、実際もっと多くの農園の大きさなので、
山形の場合は、総面積平均での家族農業労働1時間当たりの時給は「1853円」となっています。

卸先別の農業粗収益

 山形
(10a当 千円)
北海道
(10a当 千円)
市場等出荷・受取311645
直販・宅配39431

「市場等出荷・受取」と「直販・宅配」の粗収益の違いです。
価格差は「1.3倍」直販・宅配になっています。

現在は、さらに複数の卸先や工夫によって直販する機会が多くなり、このデータは更に複雑になっています。

市場以外のバイヤーによる中規模流通が増えている等。
価格差も更に多くなっているのもポイントです。

作業別労働時間

 作業別労働時間
(10a当 H)
総面積での総時間  
基肥1.966.46
整枝・せん定24.279.86
追肥1.464.8
除草・防除19.3663.9
授粉・摘果17.3457.23
管理71.01234.34
袋かけ・除袋--
収穫・調製80.38265.3
出荷61.28202.22
管理・間接労働4.1113.56
総合計281.1927.67

収穫・調整・出荷が労働時間の多くを割いています。

農業の製品化が一気に短時間でくるため、ここが、「ボトルネック」になりやすいのです。
しかも、卸先で製品化の仕様が異なるために、考えていくポイントがあるのです。

卸先の数量まで計画の中に

そこで農業TOC的に考えると、
卸先の数量まで計画の中に入れて、営農計画を立てる必要があるのです。

  • コンテナ単位で大雑把に出せばいいのはどこの卸先か
  • 選別をしっかりとして製品化する卸先はどこか
  • ギフト対応での自社売り

そうすると、単に収穫量のメドだけでなく、
卸先別 個数をある程度考慮にいれていく必要があります。

そこで始めて、「どこに卸すことが一番の利益になるのか
何を固定費として算出するのか
利益からの逆算 営農計画」となってくるのです。

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投稿者プロフィール

sofutotoc
sofutotoc運営代表
・(株)ソフトパワー研究所の「TOCジュニアインストラクター」
・教育のためのTOC 国際認定資格
・山形県農業経営相談所「登録アドバイザー」
・農業コンサルタント
・山形県よろず支援拠点相談員
・合資会社そふと代表
・たくらみ屋