水田を照らした農業TOCサミット

第2回農業TOCサミット

1月20日、21日 農業TOCサミットが山形県鶴岡市で開催された。
前日の体験TOCゲームや前夜祭を含めると、実に3日間の合宿。
全国から志しの高い人達が集まってきた。3日間の累計参加(重複あり)は123人。
1日目のサミットへは70名近くの参加者に及んだ。

しかも参加するメンバーがすごい。熱意あふれる姿勢が随所にみらえ、
「自分を変えたい、農園を変えたい、農業を変えたい」など会話の中で感じられる。

この事例発表が凄かった!!

1日目のサミットは事例発表とパネルディスカッション。
7人の方から事例発表をして頂いた。

  1. 【ナントす?オメエとオメのマネジメント】東海林一義さん (東海林武道具店ー秋田県)
    「何を増やして何を減らす」「棚を合わせる」「未来の会計はこんなに簡単」
  2. 【選別・計量・包装を最適化し稼げる農業へ】 中條大希さん (ヤマガタデザインアグリ ー山形県)
    地元の畜産農家と連携した有機農業に取り組んでいます。多くの作物で収益性に大きな影響を及ぼす、選別・計量・包装の労働時間をいかに短縮しているか、ベビーリーフの事例をご紹介
  3. 【園地での収穫から発送改善】大湯 長さん(大湯ファームー青森県)
    就農時から現在までの経営状況の流れについて、TOCMQ会計を学ぶ事による気づきの事例。園地での収穫から発送までの問題点と改善事例
  4. TOCと有機農業、 そして自然栽培へ】中道 唯幸さん (中道農園ー滋賀県)
    農業への指示ゼロ営農経営。お米やスタッフの自律的集団の育成。有機栽培から自然栽培に大きくシフトをし始めた過程を通しながら、TOC的にどのように取り組んでいったかの事例
  5. 【発酵農業とTOC】 窪之内誠さん (環境ダイゼンー北海道)
    – 発酵経営とTOC 「牛のおしっこ」から消臭・抗菌剤を商品化。その商品の出荷が、実はなかなかスムーズに行かず歯がゆい思いをしていたのですが。。。それがTOCで劇的改善!その結果として、農業の環境も大きく変わったという事例発表
  6. クリティカルシンキング農業】佐藤繁明さん (いでは農産ー山形県)
     農業における「P(価格)戦略」と「Q(数)戦略」。数字と時間を管理して、粗利/時間の営農を実践。「栽培クリティカルシンキング」を実践して、「常に考える農業」が未来の可能性を生み出すことの事例
  7. 全体最適農業と農業MQ会計】高田庄平さん (ベジパレットー山形県)
    -DBR(ドラムバッファロープ)という、「ボトルネックに投入をあわせる」TOC技術を導入。ブルーベリー部門の劇的時間の余裕を生み出した事例経営の基盤に、観光農業として、商業農業として、戦略的なMQ会計を導入

現場の実際の声を聞くのが1番。もう5分の質疑応答と言う時間をはるかに超えた。
私もこの改革の成功は何なのか、どういう気持ちでやっているのか、もっともっと深掘りをして聞きたかったから、急遽質疑の時間をオーバーさせた。会場にいた参加者の人たちも挙手があがり、一体感あふれる雰囲気。

会場全体で盛り上がったパネルディスカッション

1日目のサミットの最後は、パネルディスカッション。
高田さん(山形・ベジパレット) 佐藤さん(山形・いでは農産) 小座間さん(山形・小座間農園) 備前さん(山形・株式会社美善) 森本さん(大阪・株式会社たくらみ屋)
「Gold Wind」(農業TOCサミット実行メンバー)が壇上に上がり、パネルディスカッションが行われた。

一番話題に上ったのは、「農業の前提を変える」「減らす営農経営」でした。
深い内容です。でも これが話題の中心になるディスカッションって凄くないですか

これも 会場全体がドンドン挙手をして、全体ディスカッションが繰り広げられる。
「私の所は、終わったら終わりの仕事にしている。そうしたら、仕事が凄く早く終わっている。給料は同じで」
そんな会場の話題で、更にヒートアップ。

2日目の分科会

2日目は分科会も大いに盛り上がった。

  • 農業MQ会計 分科会
  • 全体最適思考での観光農業、地域巻き込み農業 分科会
  • 有機農業、自然農業の指示ゼロ農業 分科会
  • 思考プロセス 考える農業 分科会
  • TOC全般(DBR、大きな山、信号など) 分科会

前日に聞いた事例をさらに深めていきたい。
発表者に聞いてみたい。
参加者 お互いの現場の状況はどうなのか、TOCをどう活用しているか。

ライブ会場であったサミット

このサミットの間、農業×TOCの話題が、休憩時間でも懇親会でも、至る所で その話題が尽きない。
しかも全国から志しの高い人たちが集まっているため、
ここから発信され話題になった農業TOCはこれから、それぞれの参加された人達が、
その地域が核となって、いろいろな実践者が出てくると思われる。

終わった瞬間に来年開催が即 決定。(2021年 1月20日21日 前日の19日前夜祭)
また来年集まろうな、今度はあなたが事例発表だよ。発表出来るように頑張る。こんな人たちとつながりを持てて最高に幸せだ。
確実に「農業×TOC」は、化学反応を起こし始めている。
今までの農業での常識を疑うこと、自分の成功のことを疑うこと、そこには不安やリスクも伴う。でもまずやってみせるのだ。
だからこそ同じ思いのある人たちとつながっていくことが大切。

このサミットはまさにライブ会場であった。文章や写真でもスタイルに伝え切れないライブであった。

合宿会場はスイデンテラスというホテル。

このサミットは「水田(農業)に一筋の光を照らした」 大きな一歩だったと思う。

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投稿者プロフィール

sofutotoc
sofutotoc運営代表
・(株)ソフトパワー研究所の「TOCジュニアインストラクター」
・教育のためのTOC 国際認定資格
・山形県農業経営相談所「登録アドバイザー」
・農業コンサルタント
・山形県よろず支援拠点相談員
・合資会社そふと代表
・たくらみ屋