思考ツールは使い分ける
農業クリティカルシンキング
考える農業の第一人者「いでは農産」の佐藤さんと、農業クリティカルシンキングを行いました。
昨年も農業TOCサミットでアンビシャスターゲットツリーの発表をしてもらった方です。
「俺 柿の販売をやめる!花に専念する!!」と衝撃の意思決定をした方です。
事例はこちら
自分も 改めて「教育のためのTOC 国際認定資格」を取り、
これから更に、この思考ツールを広めていきたいと思っていたので、
再度 一緒に 農業のためのクリティカルシンキングを深めていきたいと思っていたのでした。
教科書クラウド・一般化クラウド・自分クラウド
最初はクラウドをやってもらいました。
これは対立問題を5つの箱に入れて、解決する思考ツールです。
TOCfEでの教科書の事例を使って、まず最初に「クラクフの竜」問題を行ってもらいました。
「ふんふん。なるほど。行動・要望・共通目標ってあるんだね」
「『〜〜ためには、〜〜なくてはならない』って言い方をちゃんと言うんだね」
こんな風に、まずは思考ツールのお作法をしっかりと教科書で勉強です。
その後に一般化クラウドをしてもらいました。
「クラクフの竜」はリスクをとるかの対立例なので、
一般化は
「リスクをとる」
「リスクをとらない」の対立です。
一度、クラクフの竜で思考ツールのお作法をやっているので、
時々、そのノートに書いたメモを見ながら、リスク問題を解決する練習をします。
この段階になると、少し クラウドのお作法に慣れてきました。
そしていよいよ自分クラウドを行うことになりました。
実は、今までは、すぐに「自分クラウド」をやってもらっていました。
それでも良いのですが、
それだと、思考ツールが分かる段階と
自分の対立構造を解決する段階と
ゴチャゴチャになってしまうので、
一度、練習問題・一般化問題を通してから
自分の対立クラウドをしてもらったのです。
また、いきなりの自分クラウドだと
自分の「思い込み」で思考を繋げてしまうので、
一般化クラウドでは、自分はどう考えたか、教科書ではどうだったか?
そう振り返る作業も発生するので、第三者目線の思考もプラスされるメリットもあります。
思った通りに、この流れの方が、いわゆる「考える方法」が、しっかりと身につきます。
これから 本人が自分の他の問題にも、応用も出来ると感じます。
「アジサイの栽培面積を広げる」か「広げない」クラウド
さて、自分クラウドの対立は
「アジサイの栽培面積を広げる」
「アジサイの栽培面積を広げない」でした。
この問題の「なぜなら」の仮定が、出てくる出てくる。
やはり自分クラウドの推論は違う。考えていることを文字に出すだけなのだ。
これも、このツールを使って初めて、理論立てて出てくること。
さてどうなったか!
2つの要望をクリアできる解決の行動は、
この対立の行動でなく、
「アジサイの新しい栽培方法を考える」の解決方法だったのです。
詳しくヒアリングをすると、
この「アジサイの新しい栽培方法を考える」は、うすうす考えていることだったそう。
でも 改めて 2つの要望をクリアできる解決方法なんだと図式されると納得することだようでした。
今年のアジサイは、昨年の反省を生かして、かなりの収量がとれそう。過去最大のMQ(粗利)になるとのこと。
ええーーそれって原因と結果があるよね。
どうして??
話し始めたので、
「あっ ちょっと待って。これはブランチで図式化しようよ」
アジサイ最大収穫のロジックブランチ
ロジックブランチとは、原因と結果を木の枝のように、下から上に伸びていく因果関係の図です。
「去年は アジサイが全くとれなく青くなったんだ」
その結果は?
「それで、栽培方法を必死で勉強したんだ」
その結果は?
「それで、〇〇の方法や〇〇の方法をやったんだ」
こんな感じで時系列で 出来事をまずは並べます。
その後、因果関係があるか、推論をいれて思考を深めるなどの入替をしっかり行います。
質問の仕方も教えます。(CLRという技法ですが、今回は割愛)
こんな感じで、収穫最大のロジックツリーが出来上がりました。
「でも・・・・これで価格を自分で決められる状態だったら・・・もっと 利益最大なのに・・・・」
「えっっ・・・」
「それの出来ていない原因は?」
果然盛り上がりました。
今度は、出来ていない結果から下の原因にツリーを伸ばしました。
出来ない理由がドンドン出てきています。
「これは、あらためて アンビシャスターゲットツリーで解決してもいいよね」
「そうですね。」
「でも、まず このブランチを一度 しっかり完成させたいです。」
結局 今度の農業TOC夜会まで 本人達(実は夫婦で一緒に考えていました)の宿題となりました。
TOCfEの研修で 「対立だから すぐにブランチ」なんて考え方でもなくても良いと聞きました。
「状況によって それぞれを使い分ける事もあります」
なるほど、今回のような例が そんな例なんだと感じました。
もっともっと 農業者の思考の深掘り行いますよーー。
農業TOC夜会5回目「考える農業が未来を変える」
投稿者プロフィール
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・(株)ソフトパワー研究所の「TOCジュニアインストラクター」
・教育のためのTOC 国際認定資格
・山形県農業経営相談所「登録アドバイザー」
・農業コンサルタント
・山形県よろず支援拠点相談員
・合資会社そふと代表
・たくらみ屋
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